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曇り硝子の空

ここでの生活は
それなりに悪くはない

早寝早起きができて
決まった時間に食事が出る
冷暖房も完備している

本が読めて
適度に運動もできる

そして何より
社会から守られている

固い塀があって
飛んでくる矢に気づかない

外には自由がある
外に出ればなんでもできる

でも
守ってくれるものはない

社会に放り出された自分は異質

白いハンカチに落ちた汚いしみ

それが自分