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曇り硝子の空

ここで初めて
誰かと食べる食事のありがたさを感じた

ここではひとり
壁に向かって食べている

しゃべることなど一切ない

そんなことを考えていると
涙がこぼれそうになる

食べながら泣きたくなってしまう

一日の中で
食事の時間が
一番辛い

ここを出たら一番に
妻とご飯を食べたい

温かいご飯を一緒に食べたい

欲を言えば
炊きたての白米も一緒に